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2007年07月17日 【レポート

ドイツ研修 Vol.1 マイスタースクール見学編

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3月に行われたケルンのIDS2007に合わせて、ドイツのデュッセルドルフ&ケルンに研修に行ってきました。

今回はマイスタースクール&マイスターラボ見学~ケルンIDS~歯科医院見学という内容で7日間の旅でした。

Vol.1では、めったに公開することのないドイツのマイスタースクールでの授業風景やマイスターラボの仕事風景を写真を多めでご紹介していきたいと思います☆

3月17日土曜日のお昼前に成田を発ち、途中フランクフルトで乗り換えデュッセルドルフに到着したのは同日夜。神奈川の自宅からデュッセルドルフまで、その移動時間はなんと20時間以上!!

ドイツ初体験の私にとってこの旅行を振り返っても後にも先にも一番の困難がこの移動時間でした(涙)

さて、降り立ったデュッセルドルフは寒さこそ日本よりも厳しいところでしたが、乾燥しているので空気は非常に澄んでいて個人的には過ごしやすい気候でした。花粉飛んでないことにビックリでした。これはいいです。


それでは、ここより一般公開をなかなか許すことのないマイスタースクールの様子をご紹介します。
今回研修旅行を企画していただいたパナソニックデンタルさんのご尽力により遂にマイスタースクールにて見学及びお話をたくさん伺うことができました。”日本人初一般公開”の快挙です。

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デュッセルドルフのマイスタースクールの正面玄関


入学するのにも一定の条件を満たさなくてはならず、卒業までには1800時間もの課程をクリアしなくてはマイスター試験を受験することもできない。

全日コースのカリキュラムの内容といえば、1年間に130の試験を受けマイスター試験では5種類のアタッチメントを組み入れた補綴物を製作する。
ドイツ語はもちろんだが、科目によってはラテン語での授業もあり技工専門科目のほかに財務や経営学、経済学、法律学などの一般教養、職業教育(技工を教える勉強)の科目などがある。

技工専門分野+一般教養+学生養成の実技と日本の専門学校では考えられないくらいの履修課程である。マイスター試験は一生のうち3回しか受験することができない。

今回の旅にも団長として同行していただいた、大畠一成氏は日本人で始めて技工のマイスター称号を獲得した方ですが、ドイツ語、ラテン語と言語の壁を越えてさらに、上記のタイトな課程をクリアすることは想像を絶する努力をされたのだと思います。

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マイスタースクールの学生の方の卒業試験の実際の作品

EPSN0079_edited.jpg     EPSN0068_edited.JPG        マイスター学校の授業風景                女性も多数

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マイスタースクールのCAD/CAMシステム        ミュージアムのようなロビー

ドイツのでは幼いうちから、将来自分が何の職業に就きたいかということを意識し、学業を選択していく制度になっている。若いうちから職業意識が非常に高いのは、国の制度も大きく影響しているといえる。

日常の業務を通じて”職業意識”が日本の技工業界だけでなく、社会全体の若年層に必要だと痛烈に感じます。

私個人の意見としては、学校は規定の単位とレベルに達する為の努力をしない学生を卒業させるべきではないと思いますし、ましてや国家資格取得のハードルは高い位置で保たれなくては業界全体の水準を下げることにつながります。

今回のドイツマイスター学校見学は、日本の業界の育成制度だけでなく、個人レベルでは、”なぜ、この仕事をしているのか?何を創りだしたいのか?”を改めて問われる機会となりました。


ナノジルコニアのベルザ




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